静謐を湛える寺院、300余年を生きる樹、乱世を今に伝える古戦場跡――瀬谷にはいくつもの「名所」があります。有名な場所から地元の人にも意外と知られていない隠れスポットまで、瀬谷の「名所」を巡る散歩コースが、瀬谷区発行の書籍『瀬谷の史跡めぐりガイドブック』では紹介されています。本シリーズでは、『瀬谷の史跡めぐりガイドブック』で紹介されている全5コースを巡り、その様子をお届けします。前回の「鎌倉古道北コース」に続く第二弾は、「武相国境・緑の森コース」。歴史と緑をたくさん感じることができるこのコースは、今年、来年の大河ドラマにまつわる意外なスポットもありました!最初の目的地は、三ツ境駅から徒歩3分ほどの場所にある「楽老峰」。地元の人が休日に過ごす公園は、歴史の教科書に必ず出てくる”あの人”と深いかかわりがある場所なんです!!そう、「あの人」とは、徳川家康です。徳川家康が、駿河に向かう途中にこの峰で住民が差し出した湯茶を飲み休憩をしていました。その際に「老人の楽しみはいい景色を見ながら茶を飲むこと、これからは楽老峰呼ばれよ」と言われたそうです。この言葉をきっかけに「楽老峰」と名付けられたと言われています。徳川家康と関わりを記した看板等はなかったため、”知る人ぞ知る隠れ歴史スポット”でした。昔は、高い建物もなく緑いっぱいの景色をここから眺めることができたのかもしれませんね!楽老峰を後にして、瀬谷市民の森の方面に歩いていると、緑のトンネルが見えてきました。ここは春になると桜のトンネルへと様変わりします。取材前は春の満開の写真をみて、春に行きたかったなーと思っていたのですが、夏でも桜並木は私たちを裏切りません!!取材日はカンカン照りのとても暑い時間だったため、写真のように桜の木陰がとても涼しく、気持ち良く散歩させてもらいました。しばらく道の両側に広がる緑を歩いていると、山林所有者の好意により解放されている広さ区内一の樹林公園「瀬谷市民の森の入口」が見えてきました。「山林者所有者の皆様ありがとうございます‼︎」という気持ちを胸にいざ一歩踏み入れてみました!耳を澄ませば、4〜5種類の鳥の声が聞こえてくる山道を奥へ奥へと歩いていきましたこのあたりで、ギブアップ。山道はずっと続いており、まだまだ奥に行ってみたいと思ったのですが、瀬谷区出身の方が一度入ると戻れないと小学校の時言われてたと聞いており、私は怖くなってしまい途中で引き返すことに…勇気ある方は、この先もチャレンジしてみてください。瀬谷市民の森の後は、次なる目的地の「瀬谷原(世野原)」の合戦場所に向けて緑がいっぱい広がる道を歩いて行くと看板を発見!ここは、鎌倉幕府を討伐するために新田義貞が陣揃えした場所。陣揃えとは、前もって計画されていた遠征の出発の際に行うものを指すそうです。最後は、今年の大河ドラマの源頼朝にゆかりのある諏訪社へ向かいました。房総で兵を集めた源頼朝が鎌倉入り直前に一泊した場所がここ、諏訪社。この翌日、大庭景親軍を破り武家政治の基礎を築きました。〜大庭景親とは〜大庭景親とは、平氏側の武将として、源頼朝が平家打倒で挙兵した際には、大きな壁として立ちはだかる人物です。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、國村隼さんが演じています。日本史の転換期の一つとも言える公家政治→武家政治へ変わる時期にここ瀬谷区が大きく関わっていたと思うと、瀬谷区出身ではないのですが誰かに自慢したいなーと思ってしまいました。せっかくなので、おみくじを!吉!健康が第一ということで、早寝早起き、適度な運動を継続していきたいと思います。余談ですが、大河ドラマの話も少しさせてもらうと、源頼朝を演じる大泉洋の挙兵に対して、大きな壁として立ちはだかる大庭景親を國村隼さんが演じています。現在は、鎌倉を舞台とした権力争いをしているお話を放送中ですが、ぜひ毎週ご覧になっている方は引き続き一緒に楽しみましょう♪まだご覧になったことがない方も、これを機に一度ご覧になってみてください。今回の取材は、夏到来!!という散歩となりました。これからは、入道雲や蝉の声などもっと夏らしい景色や音が増えるかもしれません。瀬谷区の歴史を学びながらの散歩はいかがだったでしょうか?私は、教科書には載らない歴史をたくさん体験でき、瀬谷区のことが以前よりももっともっと好きになりました!暑さが大変厳しくなっています。散歩コースを歩いている人たちも、ペットボトルや水筒を持って自己管理をしていました。皆様も散歩する際は、水分補給をこまめにしながらお楽しみください。次回は、「和泉川の水辺コース」です。お楽しみに!